野口ジローから自己紹介的手記が届きました。
---------------------------------
私の名前は 野口ジロー。
私がいったいなにものであるか、いくつかのおもしろエピソードを通してみなさんにお伝えできればとおもいます。
【アートの誕生】
むかし、じいちゃんの母屋には大きな黒板があった。当時(今でもそうですが)黒板などというものがある家は非常にめずらしく、そこにはいろんな色のチョークがあった。学校にはなかなか無いような色のチョークまでもがあった。私たちは夢中でおおきな黒板にあらゆる思い思いの絵を描いた。そこに何か大事なものが書いてあっても構うものではなかった。手をいっぱいに伸ばしじいちゃんの達者な字で書かれた重要事項の字の上を線が走った。よくチョークが折れた。黒板があるということは私の自慢であった。
ある時、枠の外に目がいった。
じいちゃん家の壁は昔よくあったぽろぽろ崩れる珪藻土のかべであった。私は迷わず壁にチョークを走らせた。チョークは壁に良く食い込んだ。つるつるの黒板よりよっぽど確かな手ごたえが私の手に伝わった。ごりごりごりと私は夢中で壁に絵を描いた。当時大好きなヒーローの絵だった。
自分の体より大きなものを描こうと思ったがなかなかうまくいかなかった。ヒーローの顔はみにくくゆがんだ。
ひとしきり描き終えると、わたしは満足してそれをほったらかして外へ出た。
夕刻になって親父の雷が落ちた。私は当然のごとく吊るし上げられた。親父は私にあらゆる罵声をあびせた。親父は(こいつはほんまにアホかもしれん)といった危機感を感じているように見えた。その顔には焦りの色すら浮かんでいた。うしろでじいちゃんがおろおろしているのが見えた。テーブルにおかずが半分まで並んでいた。私は当時泣き虫で恐れられていたが、そのときばかりはむすっとしていた様に思う。(なにがいかんのや!)と心のなかで思いつづけていた。
結局、親父が半狂乱になってこすったにもかかわらず絵は落ちなかった。母屋は私が高校時代まであったが。そのときまで壁の絵は落ちなかった。私は用で母屋に行く度その絵を見るのが好きであった。
これこそが私の最初のアートであった。
当時の3つか4つの私の意識が「黒板」という当然の限定された「世界」から軽々と飛び出した。チョークの用途の壁を軽々と飛び超え自由意識が世界の外を走り回った。まさに改心のアートであった。
二十年以上前の出来事ではありますが、私はついさっきのように一部始終を覚えています。話は9割以上が事実です。シュールです。私の最も初源の思い出のひとつとしてみなさんにご紹介しました。
text by Jiro Noguchi
2007/08/28
マジカルスタディー#8 : ユニット制作
マジカルスタディー#7 : 配置について
表現というものは、どういう作品をどういう素材で作るかという事はもちろん最も重要なんですが、どういう感じで見せるか、も同じくらい重要です。
見せるタイミング、対象、場所、、、色々な要素があります。
見せ方一つで同じ作品が良くも悪くもなります。
今回の展覧会の配置におけるテーマは
「鶴翼の陣」
相手を取り囲んで攻める時に用いられる陣形で、武田信玄が上杉軍と戦った第4回川中島で用いたとされています。
ギャラリーが前面道路に面していて、かつ前面ドアが全開するのでこの陣構えで挑みたいと思います。
実際の配置の計画はギャラリーのスケールからユニットの必要な大きさを出し壁面に対してどの程度覆うのがよいかをスタディーしました。
graphic & text by Kazumasa Noguchi except "鶴翼" by tonotype
見せるタイミング、対象、場所、、、色々な要素があります。
見せ方一つで同じ作品が良くも悪くもなります。
今回の展覧会の配置におけるテーマは
「鶴翼の陣」
相手を取り囲んで攻める時に用いられる陣形で、武田信玄が上杉軍と戦った第4回川中島で用いたとされています。
ギャラリーが前面道路に面していて、かつ前面ドアが全開するのでこの陣構えで挑みたいと思います。
実際の配置の計画はギャラリーのスケールからユニットの必要な大きさを出し壁面に対してどの程度覆うのがよいかをスタディーしました。
graphic & text by Kazumasa Noguchi except "鶴翼" by tonotype
2007/08/23
マジカルスタディー#6 :テストピース(野口一将)
2007/08/22
野口ジロー at 100% Design
野口ジローが、イベント「100% Design」に参加することになりました。
このイベントは、10月31日~11月4日まで明治神宮外苑にて開催されます。
イベントについて詳しくは
http://www.designboom.com/mart_tokyo07.html
http://www.100percentdesign.jp/
2007/08/20
マジカルスタディー#5 :材料 銀について(野口一将)
左より、油絵具+スタンドオイル、アクリル絵具3種、銀粉+膠。
下地は石膏板。
油絵具はゴージャスな輝きがあって、粒子も荒いのでキラキラキラキラしています。
派手で使い方を誤ると、品がなくなってしまいそうです。
アクリル系は駄目でした、どうしても軽薄な感じがします。
銀粉は油絵具には無い繊細さがあっていい感じです。
今の所、油絵具か銀泥でいこうと思ってます。
洋画と日本画の違いが端的に現れて面白かったです。
図案が最終的に決まったらそれとのとりあいで決めたいです。
完全に像が映り込む鏡のような感じじゃなくて
光があたるとキラリと光る程度の感じを探っています。
銀は均一な表面ではなく、表情のある表面にしてみようかと思っています。
逆に、下地となる白い面は均一で無表情なものにしてみてはと色々と試行錯誤しています。
photo & text by Kazumasa Noguchi
2007/08/17
マジカルスタディー#4 : ピース・内容・組み合わせ(野口一将)
マジカルスタディー#3 :デッサン (野口一将)
今回は絵を複数組み合わせて作ろうと思っています。
1つで完結するよりも、次に繋がっていくような感覚が持てるほうが広がりがあると思うからです。
雰囲気としては、パズルみたいなのがいいんじゃないかと思いました。
絵はピースに分かれていて、それぞれが単独で成立するし何枚か組み合わせても絵を作る事もできます。ピースを回転して隣あうものの関係を変えていけば無限に違う絵をつくれます。
text by Kazumasa Noguchi
1つで完結するよりも、次に繋がっていくような感覚が持てるほうが広がりがあると思うからです。
雰囲気としては、パズルみたいなのがいいんじゃないかと思いました。
絵はピースに分かれていて、それぞれが単独で成立するし何枚か組み合わせても絵を作る事もできます。ピースを回転して隣あうものの関係を変えていけば無限に違う絵をつくれます。
text by Kazumasa Noguchi
2007/08/15
マジカルスタディー#2 :野口一将 作品について
ごく簡単な法則で出来た複雑な結果に以前から興味があります。
恋愛はとても素敵です。
誰かが誰かを好きになるというシンプルなプログラムで、こんなにも複雑で豊な人間模様が生まれています。同じように、ごくシンプルなルールをつくって、その適用で豊な表情をつくるような表現を目指しています。
text by Kazumasa Noguchi
恋愛はとても素敵です。
誰かが誰かを好きになるというシンプルなプログラムで、こんなにも複雑で豊な人間模様が生まれています。同じように、ごくシンプルなルールをつくって、その適用で豊な表情をつくるような表現を目指しています。
text by Kazumasa Noguchi
2007/08/14
マジカルスタディー#1:はじめに
形、材質、色、重さ、、、ものにはそういった要素があります。
今回は色に焦点を当ててみました。
色でも白、黒、金、銀は色じゃないと思います。
キラキラしてて、奥行きがよくわからなくて、ズルい連中だと思っています。
今回はスィルバー(反射)でジロー(弟)と一緒に何かつくろうという話になりました。
反射について、兄(平面)と弟(立体)2つの手法で表現したいと思います。
text by Kazumasa Noguchi
今回は色に焦点を当ててみました。
色でも白、黒、金、銀は色じゃないと思います。
キラキラしてて、奥行きがよくわからなくて、ズルい連中だと思っています。
今回はスィルバー(反射)でジロー(弟)と一緒に何かつくろうという話になりました。
反射について、兄(平面)と弟(立体)2つの手法で表現したいと思います。
text by Kazumasa Noguchi
2007/08/03
Galaxy Countach オープン
野口一将や中落合ギャラリーが仲良くしている西落合のギャラリー「Gallery Countach」が手がけるアート・バーが明日(8/3)いよいよオープン。その名も「Galaxy Countach」!
野口一将が真夜中に代表を務める直感型ロマンティック主義団体「ザ・ドキュンカンパニー」が店内の設計を担当。バーでは美味しいお酒が飲めるほか、新進気鋭の作家によるアート作品が見れるスペースもあります。
http://galaxy-countach.com/
現代アーティストたちによるココの世界
Double C in the mirror
200 cm x 200 cm
Acrylic on board
シャネル銀座の上階にある「シャネル・ネクサス・ホール」で開催されている展覧会「現代アーティストたちによるLe Monde de Coco -ココの世界」のレセプション風景(2007年7月28日)。
展覧会を主催した団・DANSの主宰である麻生和子さん、キュレーターのクリスティーヌ・ヴァンドルディーオザノさんが野口一将の作品「Double C in the mirror」の前でスピーチをしています。他の作品同様、野口の作品もサイレント・オークションにかけられ、最終日(8/12)まで入札が受け付けられています。
「現代アーティストたちによるLe Monde de Coco -ココの世界」
http://www.chanel-ginza.com/
2007/08/02
六本木のグループ展にて
野口一将
Small Impact (二連)
Photographic Print on board
100 x 200 cm
この作品は、2007年8月3日(金)まで行われている六本木で行われているグループ展(プライベート展覧会:招待制)に出されています。
Coffee Drawing 2006
野口一将
Coffee Drawing, 2006
中落合ギャラリー
ペイントに使われたのはインスタントコーヒー。野口はコーヒーの粉と水とが完璧な濃さになるまで調整を繰り返しました。この絵が飾られたギャラリースペースは、大きなカフェラテが置かれているような、コーヒーのいい香りに包まれていました。この作品は、2006年12月に中落合ギャラリーで行われた「Group Show」に出されたものです。
Subscribe to:
Posts (Atom)